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多系統萎縮症(2013/6/23)


多系統萎縮症は、以前は別の疾患としてとらえられていたオリーブ橋小脳萎縮症、線条体黒質変性症、シャイドレージャー症候群という3つの疾患を差し、錐体路、小脳および自律神経の機能不全を起こす病気で、機能障害が徐々に進行する神経変性疾患のひとつです。 有病率は人口10万人当たり4.4人、発病の原因がまだわかっていない難病です。


わたしたちの往診先の患者さまにもこの病気と闘っておられる方が何人かいらっしゃいます。


いずれも男性の方で、たまたまなのかもしれませんがどの方にも共通しているのが "奥様が非常に明るい" ということ。
どの方もいつも優しい笑顔と気遣いを持ってわたしたちを迎えてくださり、大変なご苦労をされてきているのにもかかわらず、ご病気のこともまるでつらいことなどなかったかのような風にざっくばらんに話されます。
ひとりの患者さまの奥様にそのお話をすると、「私も最初は献身的でなければとの思いが強かったけど、そのうちそんなことしてたら自分がつぶれちゃうと思って言いたいこと言ってしまおうって思うようになって、今は主人ともぶつかり喧嘩しながら明るくやってるわ」ってやはり明るく話されていました。

軽々しくは言えませんが、やはり「女性は強い」と思ってしまいます。


この多系統萎縮症についてつい先日、東京大学の辻省次教授ら日米欧の共同研究で病気に深く関わる遺伝子を発見したというニュースがありました。

患者の遺伝子配列の解析の結果、一部の患者でエネルギーを生産したり老化を防いだりするコエンザイムQ10という補酵素の合成に欠かせない「COQ2」と呼ばれる遺伝子が変異しており、実際に患者の脳組織を調べると、正常な人よりコエンザイムQ10が少ないということです。

辻教授は「患者の組織内にコエンザイムQ10を補えば、症状が改善される可能性がある」と話しているそうです。

この病気と闘っておられる方々の症状の改善を切に願うばかりです。



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