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「歯科衛生士のコラム」"食べる" を楽しむ 日本人の食文化(2011/6/24)


 第一回目の今回は、「おいしさ」についてお話しようとおもいます。

 旅行大好き、食べることが趣味の私は様々な所に行っては土地の料理を食べてきましたが、日本ほど食のバラエティに富んだところもないと実感しています。

「おいしさ」を語る上で味はもちろんのこと、見た目・食感・音も重要です。

日本料理では食素材ひとつひとつの「〜らしさ」を壊さぬよう、板前さんのその気配りには感心させられるものがあります。
畑から採れたもの、海あるいは山から採れたもの、その扱いは慎重です。
食材ひとつひとつへの包丁の入れ方、火の通しかたにも望ましい彩り、姿、香り、テクスチャーを壊さぬよう工夫が見られます。
また、食素材を生かすために冷たいものは冷たいうちに、熱いものは熱いうちにと器選びと扱い、配膳の順序に気遣いが見られます。

 なかでも、歯ごたえから生じる食感や食べるときに発する食材の音を楽しめるよう工夫された調理にこそ、日本料理の特徴が見られます。世界の食文化で、噛んで発する食材の音を楽しんでいるのは日本だけとも言えます。

その証拠に食感、食材の発する音の擬態語、擬音語の数が世界のどの民族に比べても圧倒的に多いというデータがあります。
食事中、どのような音でも嫌う欧米人には考えられない日本特有の食の楽しみ方、食文化であり、それが日本人の五つの感覚のベースになっているようにおもいます。

 しかし、例えば歯に痛みがあったら、コリコリと歯ごたえのある食べ物は避けるでしょう。もし、口内炎があったら味もそぞろに口内炎を避けて食事をすることに集中してしまうでしょう。お口の中のちょっとしたトラブルでも食事を楽しむことが阻まれてしまうのです。

 実際、韓国では堅い食べ物を好むという食生活から義歯という概念が歯科医師や国民になく、人口が日本の半数にもかかわらずインプラントの消費本数が日本とほぼ同数です。

 「おいしさ」を追求する上でお口の健康はきってもきれない関係です。お口の健康の維持は日々の生活からです。

次回は、予防についてお話します。

【歯科衛生士 H】



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